FIVE NEW OLD

Hot New Sounds !! 〜duo Live Report vol.26〜
“HOTSTUFF presents Ruby Tuesday 27” @渋谷WWW
2017/12/12 tue.
text by 櫻井 央 (duo MUSIC EXCHANGE)
photo by 板橋 淳一

日本のロックシーンに風穴をあける 神戸発 シックでホットな3人組

2010年に神戸にて結成されたロックバンド”FIVE NEW OLD”。 現在はHIROSHI NAKAHARA (Vo./Gt.)、WATARU OMORI (Gt./Key.)、HAYATO MAEDA (Dr.)の三人を中心に活動する彼らが、今夜は、HOT STUFF PROMOTIONが主催する”Ruby Tuesday 27”に登場。圧巻のパフォーマンスで、SOLDOUTで満杯の渋谷WWWのフロアを虜にした。

M83の”Fountains”をSEに、”FIVE NEW OLD”のメンバーが登場すると、会場内は、大きな歓声に包まれる。「さぁ、渋谷WWW、みんな楽しんでますか？最高の時間にしましょう。みんな力を貸してください！」というHIROSHIのMCから、まずは1曲目” By Your Side”。彼らを代表するポップネス炸裂の楽曲に、フロアも自然と体を揺らし、手拍子が鳴り響く。それは、さながらワンマンかと見紛うような光景。一瞬にして会場と一体化させるパフォーマンス力は、彼らがライブバンドたる所以だろう。2曲目は、タイトなドラミングと心地よいコーラスワークが印象的な”Hole”。続いて、1月31日に発売のニューアルバムにも収録されている新曲” Dance with Misery”へとなだれ込む。ダンサブルでいて、音と音の”間”の作り方にセンスが感じられる楽曲だ。

4曲目は、” Black & Blue”。引き合いに出されることの多いThe 1975にも共通する80年代のポップスを下敷きに、彼ららしいロックサウンドへと昇華している。ここで、WATARUから1月31日(水)に、メジャー初のアルバム『Too Much Is Never Enough』をリリースすること、そして、それを引っさげ、4月14日(土)にツアーファイナルワンマンを行うことが改めてアナウンスされた。

MCから5曲目は”The Dream”。美しく伸びやかなHIROSHIのVoが、クリーンなギターの音色と溶け合い、叙情的な空間を作り出す。続いて、シューゲイズ的なサウンドが、彼らの持つアグレッシブな要素を際立たせる”Liar”で、一気にクライマックスへと突入する。ラストスパートは、こちらもニューアルバムにも収録の、ミニマルなサウンドメイクが心地よい” Ghost In My Place ”と、” Undercover”の満場のコーラスで大団円となった。

“FIVE NEW OLD”の魅力は、洋楽シーンの”現在”をしっかりと押さえながら、そのシーンに遅れをとることなく、彼らだけの楽曲へと混ぜ込ませていくセンスだろう。そして何と言っても、その魅力が最大限に発揮されるのは、彼らのライブにあると、改めて感じた。日本のロックシーンを引っ張っていく先駆者として、今後の活躍が期待される、2018年要注目のバンドだろう。

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